ゲーム「ゴッド・オブ・ウォー」で流れる音楽によって、ゲームの設定が理解しやすくなっています。そのおかげで、プレイヤーは優れたアクションの世界観にスムーズに入り込むことができます。、また、ゲーム内の発見やパズルによって、登場キャラクターや広大で美しい舞台をさらに理解していくことになります。

「ゴッド・オブ・ウォー」は、卓越したパーツを組み合わせた見事な作品であり、そのデザインや伏線はとても丁寧に作られており、ゲームプレイとあらすじの両方で予想外の楽しみを味わせてくれます。

北欧神話にインスパイアされたこれまでになかった舞台設定と、おなじみのキャラクターが考え抜かれて再構築されたことで、ストーリー展開は目まぐるしく、一度ゲームに入り込むと、絶え間なく感情の渦に包まれます。全体を通して、1つの連続したカメラショットの視点から作成されているので、メインテーマから離れたり、スポットライトがあたる場面がずれたりすることはありません。ちなみに、このゲームのメインテーマは、クレイトスと息子アトレウスとの親子の絆を取り扱っています。

しかし、この作品のあらすじには、忘れがたい脇役たちの存在や、常に新しい発見がある素晴らしい舞台設定、そして信じられないほど充実した戦闘シーンも含まれています。

クレイトスと息子アトレウスは、最初は知り合い程度の冷たい関係でしたが、父親以上の絆で結ばれていたアトレウスの妻クレイトスの死後、共に旅に出ることになります。彼女の最後の願いを叶えるべく、二人は全世界の高みを目指していくのです。

セットアップは、最終到達点を目指す旅路で、遠くに山頂が見えているビジュアルになっています。いずれはそこにたどり着くだろうという気にさせるのですが、似たようなゲームでもそうであるように、その道のりは決して平坦ではなく、一筋縄ではいきません。さまざまな自然との戦いや挑戦が待ち受けています。最初は大きな対戦から始まり、総計約25時間にわたる壮大かつ恐ろしく危険に満ちた冒険へと没入していきます。

あらすじ全体を通して、二人の主人公が抱える矛盾が、感動的でリアルなシーンに反映されていきます。プレイヤーは、クレイトスとアトレウスの境遇に共感して、衝撃を受けることでしょう。筆者自身も、これまでの人生で大切な人たちに伝えてきた思いや、伝えずとも大切な人を思う気持ち(恥ずかしくてここでは言えませんが)に思わず共感してしまいました。なので「ゴッド・オブ・ウォー」の人間関係はどこかしら現実味があり、リアルに描いたものになっています。

親子関係が描かれるゲーム作品は多いですが、幻想的な冒険の土台として、これほどまでに父と子の関係に焦点をあてたゲームは今までになかったのではないでしょうか。

クレイトスは、ゲームの中で、生きるための殺人しかしませんが、それは復讐のためです。特に、殺人シーンのアニメーションは、むごたらしく、骨が砕けるシーンが続くことがあります。(ただし、敵は常に一人しか表れないので、見ていて単調になりがちでもあります)。「ゴッド・オブ・ウォー」は道徳的には少し微妙で、見苦しいものもありますが、その優れたアクションは、間違いなく、同シリーズの特徴を引き継いだものとなっています。

今回、クレイトスの特徴的な武器は「リヴァイアサン・アックス(Leviathan Axe)」という斧で、最近のゲームの中でも極めて強力な武器でしょう。最初は、基本的な軽いアタックや重厚な攻撃から始まりますが、ゲームを進めていくうちにアップグレードして、新しい能力が加わります。敵の大群をハックアンドスラッシュで切り裂いていくのも楽しいですが、斧が空中を飛んでいるときには剣を使うのがおすすめです。それぞれの機能が他の機能を補い合い、まさに傑作と呼ぶにふさわしい、これほどエキサイティングな作品になるとは思いませんでした。ぜひお試しあれ!